初代 神武天皇から現在の125代 今上天皇まで、すべての天皇について解説しています。
カラー画像付きなのでとてもイメージしやすいです。
文章の内容は、さっきの歴代天皇辞典より少し劣りますが、それでも内容が薄いというわけではありません。
歴代天皇を理解するための入門編として、また、一通り理解したい人におすすめです。
天皇の生没年・在位期間は年月日・年号付きと、くわしく書かれているところも良いです。
おそらく著者の小林よしのりと聞いて『じゃぁいいや』という人がいると思います。彼ほどレッテルを貼られてそれが広がっている人はいないですからね。
レッテルを貼られるということはそれ以外の批判ができないほど的を得ているということでもあります。
『お前の母ちゃん、でーべーそー』をそのまま信じていいのか?
読んでみてから出べそかどうかもう一度確認してみませんか?
著者の天皇に関する最初の本です。
信頼のある文献から引き出した知識、それをストーリーに乗せて楽しませる表現力、これ以外にむずかしい話をやさしく教えてくれる本はありません。
『天皇ってなんかむずかしそうでよく分からない』を覆すエンターテイメントとして最高です。
ネタバレするとこの内容のすべてが正しいわけではないですし今の著者の天皇感でもありません。それから続く天皇シリーズでは間違っていたことを訂正することもままあります。
(おそらく...読んでみてぼくはそう感じました。)
でもぼくは最初のシリーズから読むことをオススメします。著者の天皇に関する知識の成長をみることで自分も同じ疑似体験ができます。
天皇のこと。日本のこと。日本人のこと。
いきなり全部知ることは不可能ですからね。天皇を知るのにこの本から始めるのが一番の近道です。
右翼とか左翼とかどうでもいい。これを読んでからレッテルを貼ればいいじゃないですか?
10年前の本ですが、いまでもこれだけの知識をもって発言している人は少ないです。今からでも十分間に合います。
著者の天皇論シリーズぜんぶに言えますが漫画としてはボリュームが異常に多いです。連続ドラマを観るように小刻みに読んでみてはいかかでしょう?(一気に読んでもよいですが。)
著者の天皇論シリーズ第2弾です。
『昭和天皇と戦争』『昭和天皇と日本』を細かい事実の積み重ねで描いています。
細かい知識があふれて頭がパンクしそうな気がしますが、昭和天皇の行動・考えが、まるで読んでる自分が経験するかのような錯覚をするほど『昭和天皇の人生物語』になっています。
『天皇の戦争責任はある・なし』と一言で言えなくなるほどつねにぎりぎりの選択をしてきた昭和天皇にハラハラドキドキする展開は最高です。
昭和天皇は、あの15年戦争に当事者としてかなり突っこんだかたちで身を置いていたことにびっくりしますし、でもだからといって『一番の戦争責任は天皇にあり!』と言えない、なんだか不思議な感覚になります。
最後に日本人に壮大な宿題があるかのような終わり方はなんだか泣けてきました。ラストシーンはほんとうにいいです。
歴代天皇の最長在位期間をもち、戦争と敗戦、高度経済成長と激動の昭和を体現してきた昭和天皇が知ることができます。
著者の天皇論シリーズ第3弾です。
シリーズ第1弾とちがって、はっきりと『女系天皇でもいいのではないか?』といった衝撃作です。
当時これをはっきりいう人はほとんどいませんでした。きちんとした歴史の事実の積み重ねをもとに正確に細かく根拠を入れながら。
もちろん猛反発の大炎上です。ただし、これだけ根拠を積み重ねたものに対してまともな反論は見たことありません。
その意味で皇位継承問題のなかで、ぼくたち一般人が理解できるまで落とし込まれた正確な情報でこれ以上のものはありません。
これから起きるであろう皇位継承問題の検討をみるときに、最低限必要な知識としてのバイブルです。
これに耐えられる日本国民はどれだけいるのか? 日本国民の度量がためされる1冊です。すでに耐えられずに半狂乱になっている人たちがいますが。
(男系男子継承を言い張る人たち)
最初読んだとき『どうしてここまで確信して女系天皇容認を言ったのだろう?』と思いました。
内容を読んで納得していたのですが、それでも『断定しすぎだろ?』と勝手に尻込みしたことを覚えています。
あとで知ったことですが、著者の小林よしのり氏は、当時の宮内庁長官から『意見を聞きたい』と内々に呼ばれて話をしたそうです。(この本の発表前か後か忘れましたが。)
そのとき著者は確信したようです。『天皇陛下も女系天皇を認めている』と。
それを聞いたとき、さらにこの本の内容の意味が分かりました。
(ちなみに、男系男子継承をいう人たちで内々に呼ばれたという話は聞いたことがない。)
もしかすると日本の歴史に名を残す名著になるかも?
ぜひ女性に読んでもらいたいです。女性ならこの本の中で問題にしている本質を痛いほど分かるはずだから。
男性諸君は『童貞か?卒業したか?』がためされます。半狂乱になっている人たちは『心の童貞』です。『本当の童貞』もいるんじゃないかと思うこともありますが。
(『本当の童貞』かは未確認。証拠はありません。あしからず。)
天皇論シリーズ1作目に100ページ以上も加筆・修正した増補版で、著者の天皇論シリーズ最終版です。
著者がこれまでのシリーズで得た知識を再検証・再構築した天皇論の決定版。
まだ読んだことがない人はこの1冊だけ読んでもいいです。なにせ最終決定版なので内容がきれいに整理されています。
加筆された部分は、美智子皇后・雅子妃などぼくらが知っている方々のエピソードが多いので現実問題として身に詰まる思いがします。
そして、令和の今上天皇になられる皇太子殿下の天皇になるための覚悟も垣間見えます。
女性には見るに堪えないエピソードがたくさんありますが、目をそらさずに受け止めてほしいです。これが現実なので。
男性諸君は美智子皇后と雅子妃になにを思うか? 場合によっては童貞がバレるぞ?
女性のみなさん。これを読んで、いい年こいた『童貞オッサン』をチェックしましょ?
男性諸君。『童貞はいねーがー』にビビッて泣きわめく前に、はやく大人の階段を上りましょう。
天皇論シリーズを書き終えた小林よしのり氏と田原総一朗氏の天皇についてだけを語った対談本です。
天皇論シリーズで知りえた小林氏の知識が、かんたんにはっきりと示されるので、天皇について何も知らないという人にはピッタリの1冊。
田原総一朗氏の『朝まで生テレビ』のような司会ぶり、ときには知らないふりしてだれにでも分かるように補足する老獪なテクニック。
この1冊で『いま天皇に何が起きているのか?』が分かります。
ギャグ漫画家の心地いいリズム感と、名司会者のこれまた最高のリズム感が重なってスピーディで飽きさせない展開です。
ぼくはあまりにも面白くて、半日で一気に読んじゃいました。
面白いうえに、じつは濃い内容がふんだんに入っているので一挙両得の本です。
マンガ・昭和天皇物語
昭和天皇の子供のころから描いたマンガ本です。内容は昭和天皇を主人公にした『大河ドラマ』や『朝ドラ』のようで、昭和天皇の人生がそのまま描かれます。
ドラマ仕立てなので、むずかしく考えず一人の『裕仁親王』を見ることができます。そうすると日本の近現代史がスッと頭に入ってきます。
近現代史は歴史の中でも複雑でわかりにくいですからね。それがかんたんに見えるところがスゴイです。
なにより、昭和天皇の心の動きが見えるので存在がグッと近くに感じます。いまでもビッグコミックオリジナルで連載中です。
20才の裕仁親王はヨーロッパ外遊に向かいます。(20才の誕生日は欧行きの船内で迎えた。)
でも、その頃の日本国内は...。
大正天皇の病状は回復せず。
裕仁親王の摂政就任に奔走していた平民宰相・原敬(はら たかし)の熱狂的な支持率は冷めてきて。
国民の不満を吸い上げようと動き出す暗闘。
 
『もっとも楽しい時であった』と言っていた昭和天皇の気持ちが分かります。
また、この外遊は昭和天皇にとって色んな意味でターニングポイントです。
少年・裕仁の卒業旅行。
(帰国してから父の代わりを務めることになる。)
近代国家の君主としての立ちふるまいを学ぶ。
(のちの軍部を力ずくで止められなかった理由もここにある。)
『激動の昭和』はすでに大正から始まっていたことがこれでもかっていうくらい展開され、それが少年から君主になることでスイッチが入ったかのようで面白いです。
じつは昭和天皇は、いまのところ最後の『摂政』だったことも知られざる歴史です。
ちなみに、宮内大臣・内大臣の牧野伸顕(まきの のぶあき)は大久保利通(おおくぼ としみち)の実の息子で、いま財務大臣の麻生太郎氏は牧野のひ孫。
ヨーロッパで国民と君主が近くて親しいことに感動した裕仁親王は、ついに摂政に就任し新しい皇室の姿目指してやる気満々でしたが...。
まわりはあまり理解を示しません。
弟にまで、目指すべきは天皇親政(天皇が直接政治を行うこと)だとまで言われてしまいます。
(この兄弟の意見のちがいが2.26事件の伏線にもなっている。)
戦後の象徴天皇の姿をすでにヨーロッパで見ていて昭和天皇自身はこのとき気づいていました。
ただ一人見えていた近代・日本とそれとは程遠い現実との葛藤が面白く、テロ・暗殺が当たり前の昭和につながる伏線がこれでもかと出てきます。
初代 神武天皇から現在の125代 今上天皇まで、すべての天皇について解説しています。
人柄や功績、そのとき世の中で起きたことなど、分かりやすく、かんたんに書いてありますが、とても濃い内容になっています。
天皇1人当たりのページ数は、多くて3ページ程度なので、読み疲れることはありません。
日本の歴史の通史を知りたい人にもおすすめしたい本です。
文庫本なので、通勤中などどこでも読めます。ぼくも、読み終えるまでは常に持ち歩いていた1冊。
ただ、昔の天皇の在位期間・年齢などは、当時の年の数え方(数え年)で書いてあるので、すこし混乱することがあるかもしれません。
2006年と10年以上前に出版されていますが、短い文章で内容は濃い本はほかにありません。