PHPのコードチェックツールは、PHP_CodeSnifferとPHP_CS_Fixerの2つが有名です。
どちらもコードチェックに加え、自動整形できたりカスタムルールを設定できたりなど、機能は同じと言っていいほど似ています。
『どっちでもいいじゃん』と言いたいところですが、たった1点の相違点で使い分けるといいです。
WordPressならPHP_CodeSniffer
WordPrressには、デファクトスタンダードのPHPコーディング規約のPSRに参加していません。独自のコーディング規約があります。
PSR (PHP Standards Recommendations)
PHP標準勧告。PHPコーディングの標準化を目指す活動のこと。PHP-FIGが策定している。
PHP-FIG (PHP Framework Interop Group)
PHPフレームワーク相互運用グループ。PHPプロジェクトが集まって意見を出し合い、お互いの製品の互換性を調整する団体。
有名なプロジェクトが多く参加している。
そして、コーディングチェックツールで対応しているのは、PHP_CodeSnifferです。
実はこれらのツールで最初に有名になったのはPHP_CS_Fixerなんですが、WordPressに対応していません。
(カスタムルールで自作は可能。)
PHPをWordPressで覚えたという人はPHP_CS_Fixerのほうがマイナーに感じるでしょうが。
PHP_CodeSnifferは、略してphpcsと呼ばれます。
フレームワークで使うといえばPHP_CS_Fixer
『CMSじゃなくてフレームワークを使ってるよ』という人にはPHP_CS_Fixerのほうが馴染みがあるでしょう。
PHP_CS_Fixerは、かつては多く使われたSymfonyというPHPフレームワークのコーディング規約が用意されています。
それもあってか、5年くらい前のLaravelではPHP_CS_Fixerを使う情報がたくさんありました。
Laravelはおそらく今、PHPフレームワークで一番使われているものです。
フレームワーク使いとしては、慣れたツールを使いたがった影響でしょう。
最近は、LaravelでもPHP_CodeSnifferを使う情報が多くなってきています。
PSRに準拠するならどっちを使っても良い
PHP_CodeSnifferとPHP_CS_Fixerは両方ともPSRのルールが用意されています。
(2021年12月28日現在、PSR12に対応済み。)
WordPressを使うならPHP_CodeSniffer一択ですが、PSRを使うなら好きな方を使っていいです。
個人的には、WordPressを使うならPHP_CodeSnifferを使って、フレームワークならPHP_CS_Fixerを使うかな。
一つに絞ってもいいですが、仕事の場合、どっちを使ってても困らないように両方とも使い方を覚えます。
ルールの設定なども似ているのですぐに慣れるし。
ちなみに、この2つのツールは最初にリリースされた時期がほぼ同じ(2015年)で、GitHubの☆数もほぼ同じです。アップデートも頻繁に行われているので甲乙つけがたい状態。
強いてどっちかを選ぶなら、PHP_CodeSnifferかな。phpcsという言葉を若干多く聞くような気がするし。