初代 神武天皇。先祖は有名なカミサマだらけ。まるで日本昔ばなしの世界。
神武天皇(じんむ)は、初代天皇で神話の世界の人です。しかし、親や祖父・祖母など先祖はカミサマ。神武天皇はカミの子孫なのにカミじゃありません。人間です。
これが日本の歴史のはじまりの不思議なところで、『神武天皇は何者か?』のヒントにもなっています。
続きを読む第11代 垂仁天皇。ヤマト王権・2代目リーダー奮闘記。伊勢神宮を建て出雲大社を改装する。
垂仁天皇(すいにん)は、父・崇神天皇が作ったヤマト王権を引きつぎます。
その道はかんたんではなく、皇后を殺してしまった悲しい天皇でした。
一番の功績は伊勢神宮の創建でしょう。アマテラスを祀る場所が三重の伊勢にあるのはこの人のおかげ。また、出雲大社の大掛かりな改装もしました。
続きを読む第53代 淳和天皇。民間人になりたかった事務次官経験者。唯一、散骨される。
第53代 淳和天皇(じゅんな)は、民間人になりたいのに却下されて官僚を経験した珍しい人です。
官僚として優秀だったらしく、また相当期待されていたらしく、省の事務次官を歴任しました。
淳和天皇は歴代天皇でひとりだけ、本人の希望で死後に散骨されたこれまた珍しい天皇。
続きを読む太上天皇(上皇)と太上法皇(法皇)の違いは? 意味は? 天皇より偉いの?
上皇は皇位を次に譲ってリタイアした天皇の尊号で、出家した上皇が法皇です。
生前に皇位を譲る(譲位)ことがあったため、天皇に代わる尊称として生まれました。
2019年5月1日に、250年ぶりに上皇陛下がおられることになったので、身近に感じるでしょう。
続きを読む正一位, 従三位ってなんだ? 位階とか官職とか官位の細かなちがい。
日本の権力者たちには長年ランキングがありました。律令制で設けられた位階です。
律令制では位階となれる役職がリンクしていたので、位階がないと朝廷の幹部になれませんでした。
このランキング、今でも使われてます。閣僚経験者たちは亡くなると上位ランカーになる。
続きを読む第117代 後桜町天皇。最後の女帝、そして最後の院と呼ばれた上皇。
後桜町天皇(ごさくらまち)は、明正天皇から119年ぶりに誕生した女帝です。いまのところ『最後の女帝』。
宮家から復帰させて即位させた光格天皇の教育係をするほどの人で、中継ぎ以上の働きをします。
そして、上皇を『院』と呼ぶ、千年近くもつづいた習慣はこの人を最後にやめました。
続きを読む第20代 安康天皇。史上初の暗殺された天皇。皇后の連れ子に仇討ちされる。
安康天皇(あんこう)は、臣下にだまされて叔父さんを殺してしまい、その復讐で暗殺されます。
歴代天皇で暗殺された最初の天皇で、歴代でも暗殺されたのはたった二人。悪い意味で貴重な天皇になってしまいました。
皇后が一番やるせなかったかもしれない。息子が夫を殺したんだから。
続きを読む第65代 花山天皇。文春砲でも打ち切れない女好きのアーティスト
第65代 花山天皇(かざん)は、歴代天皇のなかでもトップクラスの天才アーティストですが、なにせ女癖がワルい。ワルい。
アン○ャッ○ュ・渡○を最高の笑顔で許せるくらいの、とんでもエピソード満載の人です。
(もちろん女性がらみの。)
天皇としてはかわいそうで、だまされて退位させられます。
続きを読む平氏ってなんだ?どこから来たの?なんで有名な武士になれたの?
『平氏は有名な武士』。これで覚えると、平氏が何者なのか? どこから来たのか? まったく分かりません。
また、天皇の子孫だということを知っていても、なんで武士として有名になったのか分かりません。
その答えは国司にあります。天皇の子孫が国司になったから平氏は武士になりました。
続きを読む第75代 崇徳天皇。非業の死を遂げて大魔王になる。日本三大怨霊のひとり。
崇徳天皇(すとく)は、出生にただならぬスキャンダルがあり、生まれたときから父・鳥羽上皇に嫌われ、すべてを奪われる悲運の天皇です。
弟の後白河天皇と戦争をして負けて島流しされてしまい、最後は大魔王になって祟ります。
日本三大怨霊になっているところに、この人の人生が詰まってる。
続きを読む第36代 孝徳天皇。日本で初めての元号・大化。最後は総スカン食らって孤独死
孝徳天皇(こうとく)は、あの『大化の改新』をおこなった天皇です。日本で初めて元号を制定しました。『大化』。
でも、最後はみんなに嫌われて勝手に都を移されて、悲しみに暮れるなか孤独死します。
というか周りの人がヤバいと思うんですけど。
孝徳天皇は史上初の改元をした天皇でもあります。
続きを読む第43代 元明天皇。息子から皇位を引継いだ稀な女帝。初老での即位は限界だったか?
第43代 元明天皇(げんめい)は、710年の平城京遷都で有名ですが、息子から皇位を受け継いだ歴代天皇の中でもまれな女帝です。
(退位したときも母から娘へ継承した。これまた、まれな天皇。)
もう寿命が来てもおかしくない年齢で即位したので、途中で放り投げたように見える退位でした。
続きを読む鎌倉時代は孫請け会社がトップリーダーだった!なんでそーなるの?
鎌倉幕府の不思議なところは、天皇がお飾り、将軍ですらお飾りにして、その部下たちが実質的な政権をコントロールしたところです。本来なら政治権力を握るはずのない人たちが権力者でした。
発言力があるなら上の立場になってもいいはずなのに、それは下のままで。これが意味不明。
続きを読む明治より前の地方(旧国・令制国)のランク。地元が低くても凹まないでね?
越前国(えちぜん)、陸奥国(むつ)、武蔵国(むさし)などなど、今の都道府県とはちがう地方の区分がありました(旧国)。
いまでは地域名や市町村などに残っているものもあります。そしてその地域には規模や朝廷が重要ポイントだと思っていたなどでランクがありました。
このランクを見ると昔の日本人がどこに憧れていたのかが分かります。
続きを読む初代 神武天皇。神話の中で決して英雄でない普通の人。異常な長生き以外は。
神武天皇(じんむ)は初代天皇なのに、神話上の人なのに、奇跡を起こさない、マッチョでもない、かっこいいヒーローでもありません。
特別な才能を発揮したわけでもない普通の人。たまに神話らしい神がかり的なこともありますが、そこまでミラクルを起こしているわけでもない。
続きを読む第12代 景行天皇。ヤマト王権ピンチ。反抗的な豪族を力でねじふせる
景行天皇(けいこう)は、ヤマト王権3代目リーダーです。3代にもなると王権の力が弱くなります。反抗的な豪族がたくさん出てきました。
そこで景行天皇の息子で討伐軍の闘将・ヤマトタケル(日本武尊)が登場します。
景行天皇が遠征して九州征伐したともいわれます。
続きを読む第54代 仁明天皇。『承和の変』で藤原一強がはじまる。摂関政治への布石。
第54代 仁明天皇(にんみょう)は、18年も天皇だったのに存在感がありません。
しょうがないです。藤原一強になるきっかけ『承和の変』が起きるなど、まわりの権力闘争が目立つので。
父の嵯峨上皇が凄すぎてやることがなく、『何をしたか?』よりも『何が起きたか?』がポイントになる天皇。
続きを読む因習(いんしゅう)の意味は?伝統との違いは何か? 見過ごすととんでもないことが起こる。
古くから伝わる風習、習わしのことを”伝統”や”因習”といいます。この”伝統”と”因習”は同じような意味をもちますが、けっして同じものではありません。
一言でいえば
悪い伝統 = 因習
といったところ。
一見、無視すれば良いように見えますが、スルーしただけでもとんでもないことが起きるのが因習です。
続きを読む左大臣、右大臣って何者? ついでに大納言・中納言・参議ってなんだ?
左大臣・右大臣、大納言・中納言って何度も聞いたことあるんだけど、何なのか答えられない。
『いや、お前が勉強してなかっただけだろ?』と言われればそれまでですが、これ、今でいうと内閣の総理大臣・副総理、重要閣僚の面々です。
内大臣(内臣)についても触れます。大臣だけに上の人ですが閣僚とはちがう。
続きを読む第26代 継体天皇。歴代の中で一番血統の遠い天皇。福井在住のお爺ちゃんが即位する。
継体天皇(けいたい)は、歴代天皇の中で一番血統が遠いところから即位した天皇です。即位したときは都にすら住んでいませんでした。
本人も福井にいたかったらしく、一度は断りしぶしぶ即位します。
継体天皇の系統がいまの今上天皇まで続いていますが、あまりに遠くから来たので王朝交替説もあります。
続きを読む第21代 雄略天皇。皇位継承者をみな殺し。残虐極まりない大悪人か? 徳のある天皇か?
雄略天皇(ゆうりゃく)は、兄弟・いとこなど、天皇になれるような皇子たちを次々に殺していきます。
(分かっているだけで4人。)
ほかにも、ろくに調べずに怒りにまかせて殺しているので、『大悪天皇』と呼ばれました。
逆に『有徳天皇』ともいわれたクセのある人です。
続きを読む第66代 一条天皇。宮廷文化の最高潮で豊富な人材が揃う。いよいよ藤原道長の登場。
第66代 一条天皇(いちじょう)はほぼ無名ですが、その時代は平安のイメージが凝縮されています。
藤原道長の栄華、清少納言、紫式部、和泉式部の活躍、安倍晴明の活躍などなど。
登場人物のキャラが強すぎて一条天皇の存在感が薄いですが、平和で『これぞ平安』という時代でした。
続きを読む武士はどこから来たのか? なぜ生まれたのか? 日本は軍事が嫌いだから生まれたかも。
武士が生まれたのには、長い歴史の中でポイントになる部分がいくつもあります。
たんに豪族から武士になっただけでは片付けられません。天皇の政策だって影響しています。
『武士が生まれた理由はこれだ!』と決められず、合わせ技一本のようにポイントの積み重ねで生まれました。
続きを読む第76代 近衛天皇。藤原氏の権力闘争に巻き込まれる。左大臣に呪い殺された?
政治の実権は父の鳥羽上皇にあったため、近衛天皇(このえ)はほぼ表舞台に出ませんでした。政治の中心は藤原氏の内紛がメインになっていきます。
近衛天皇は自分の妻でさえ内紛のネタにされました。
この時代の天皇は存在感のある人が多いのに、15年も在位期間のある近衛天皇はほとんど見えません。
続きを読む第37代 斉明天皇。史上初の天皇返り咲き。今度は剛腕をブンブンふりまわす?
斉明天皇(さいめい)は、一度退位してからまた天皇に即位する重祚(ちょうそ)を初めてした人です。
前は災難つづきで何もできず4年で終わってしまいましたが、今度は持ち前? の剛腕をふるい勇ましい天皇として帰ってきました。
歴代で最後の戦地に向かった軍の総司令官の天皇です。
続きを読む第45代 聖武天皇。病弱な仏教マニア。政治はデキる人におまかせ。
第45代 聖武天皇(しょうむ)は、東大寺の大仏などを建立した有名な天皇ですが、病弱で天皇の仕事は先代の元正上皇に丸投げでした。
仏教オタクといってもいいです。そのオタクぶりが、いまの日本の大切な遺産になっています。『オタクが世界を変える』の典型の人。
続きを読む君臣の別(くんしんのべつ)の意味は? 差別の元凶と平等思想に見える不思議な言葉。
日本では、君主と民の関係は昔から独特でした。欧米のように契約関係もなく、絶対的な主従関係もありません。
それなのに、天皇と民の間には暗黙の信頼関係があります。
普通は結びつかないのに結ばれているところに『君臣の別』という考えがあります。皇位継承問題でも必要な考え方です。
続きを読む国司ってだれが偉いの?昔は地域格差を法で決め1000年以上使われた。
越前守、伊勢守、上野介...。戦国大名や江戸時代の武士たちが名乗ったこの名前は、本当は名前ではなく役職です。地方統治の長官・次官の名前。だからそれぞれの国名が入ります。
そして同じ長官でも、国によって朝廷の位階(等級)に差がありました。越前守と駿河守では越前のほうがワンランク上というように。
続きを読む初代 神武天皇。東征神話でヘタレを露呈する。大惨敗の上に兄が戦死。
初代 神武天皇(じんむ)は天下統一のため日向(ひゅうが。宮崎)を出発しヤマト(奈良)へ向かいます。道中、英雄らしからぬヘタレを露呈し、大阪では豪族と戦争してコテンパンにやられました。
神武の東征は英雄の遠征記録ではありません。人間味のある成長物語です。
続きを読む第13代 成務天皇。地方の統治機構を作ってヤマト王権のレベルを上げる
成務天皇(せいむ)はヤマトタケルの弟で、タケルが行なったヤマト王権の武力討伐のあとを引きつぎました。織田信長を引き継いだ豊臣秀吉に似ている。
そこからさらに、都道府県・市区町村みたいな地方の統治機構を作って国のかたちをワンランク上げます。
(国造・県主(くにのみやつこ・あがたぬし)の登場。)
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