
KUSANAGIの使えるサーバーのサービスはたくさんありますが、料金をみると法人向けが多いと感じます。
個人向け、中小企業向けは意外に少なく、3つにしぼられます。
目的に合ったものを選べるように、参考にしていただければ幸いです。
KUSANAGIを使うサーバーの条件
そろそろ条件のいいサーバー(レンタル・VPS・クラウド)に引っ越そうと思い、KUSANAGIが使える34のサービスを調べました。
まずは、ぼくのセレクトの条件をご紹介しますが、『おまえの条件なんか知らねえ!さっさと教えろ!』という方は
セレクトの条件を見てみたい方、参考になれば幸いです。
セレクト条件
- KUSANAGIが使える。
- ストレージはSSD標準搭載。
- マシンスペックの上げ下げが可能。
- KUSANAGI推奨メモリ4Gの基本料金が月額4,000円以内。(オプションは別)(個人・中小企業でも使いやすいお手頃の金額)
- root権限付与。ssh接続可。
- バックアップサービスあり。
- 仮想イメージ保存あり。
条件をつけた理由です。
KUSANAGI | KUSANAGIを使って3年。Webサイトまわりでこれ以上の環境が用意されているものがない。 |
SSD標準 | 記憶装置はHDDよりもSSDのほうが速い。 容量が少ないのが弱点だが、不足することはまれ。 |
スペックの 上げ下げ | サイトに合わせてスペックがすぐに変更できるのは必須。 アクセスが急激に上下するとき便利。 余分なスペックを下げてコストの削減もできる。 |
推奨メモリで 4,000円以内 | 個人・中小でこれ以上はきつい。 オプション料金も含めると月額1万以内、6,000~8,000円くらいになることを想定。 |
root権限 ssh接続 | かんたんな保守・メンテを自分でするため。 (個人的にはがっつり自分でしたい。) |
バックアップサービス 仮想イメージ保存 | なにか起きたときの保険。 復旧が早い。 月額1,000~2,000円を想定。 |
KUSANAGIとは?
KUSANAGIは、WordPressが超高速に動くWebサイト環境の仮想マシンです。
仮想マシンといっていますが、Webサイトのサーバー側のアプリケーションをまとめたもので、特別なことをしているわけでもなく、WordPressを構成するアプリケーションのチューニングを最大化しています。
熟練のエンジニアがするような、ハイスペックのアプリ設定が最初からできているので、だれでもかんたんに熟練の技の恩恵を受けられるんですね?
またKUSANAGI専用のWordPressプラグインが入っているので、キャッシュや画像サイズの最適化など、サイトのパフォーマンスを上げる基本はできてます。
これらのプラグインを自分で探して入れなくてもいいのがGood。
KUSANAGIはかんたんにhttps化もできます。無料です。
というかKUSANAGIは、WordPressの有料プラグインを使わないかぎり、すべて無料。
KUSANAGIには有料ライセンスがありますが、ほとんどの人はいりません。
(ふつう、日本の高速道路を走るのにF1マシンはいらないのと一緒。)
ストレージはSSD標準搭載
SSDはHDDとくらべてファイルの読み書きが速いので必須です。
ここ数年、サーバーのストレージSSD標準があたりまえになりました。最低ラインです。
容量に対してHDDよりコスト高ですが、大量の動画を集めたサイトなどでないかぎり十分で、足りなければオプションで増設すればいいでしょう。
増設分はハードディスクにするのもありです。
スケールアップ・スケールダウン
これも、いまやあたりまえの基本機能です。
アクセス数に波があるとき、マシンスペック(CPU・メモリ・ストレージ)の上げ下げができないと、アクセス数が多いところに合わせた高い月額料金を払いつづけることになります。
スペックが足りないときボタンひとつで対応できるのもいいですね?
KUSANAGI推奨環境が4,000円以内
KUSANAGIの推奨メモリは4Gです。
2020年10月11日のいま、KUSNAGIが使えるサーバーのメモリ4Gの基本料金の最安値が3,200~3,900円くらい。
4,000円台はまぁガマンできるとして、5,000円越えはキツイかなと。
34のサービスをざっと見たかぎり、低くて6,000円、1万越えはあたりまえです。
(AWSとかは為替相場で変わってくるので除外。)
見るからに、ある程度の規模の法人向けで即却下したので、正確な数字は忘れちゃいました。
基本料金の基準は推奨メモリにしました。それを下回るスペックは500円からはじめられるものもあります。
でもメモリが1G以下とか、KUSANAGIが安定して動くようには思えないので、基準にしませんでした。
(KUSANAGI運用歴3年の経験から実証済み。)
root権限付与・ssh接続可
サーバーでなにか起きたとき、すぐに対応するため自分で作業できる環境が必要です。
かんたんな保守・メンテナンス作業くらいできたらいいですし。
いまのKUSANAGIは初期設定作業をサーバー上でするのが普通なので、root権限あり・ssh接続できることが多いです。
一応、確認だけはしておきましょうということで。
バックアップサービス・仮想イメージ保存
なにか起きたときのための保険で、バックアップサービスは必須です。仮想イメージ保存はバックアップと似ていますが、ちょっと違います。
バックアップ | システム全体のファイルのコピー |
仮想イメージ 保存 | システム全体をひとつのファイルに圧縮したものをコピー |
仮想イメージはバックアップに使えますが、どちらかといえば同じシステムを複数立ち上げるときに使います。
システム全体が1ファイルになっているのでコピーがかんたんなんですね?
仮想イメージ保存があるならバックアップはいらないという選択肢もあります。
バックアップや仮想イメージ保存は無料の場合がありますが、運用ではサイズが足りないことが多いです。
追加オプションで月額料金を払うことになります。
(だいたい700~1,200円くらい。)
これらの条件から3つのサービスにしぼりました。
KUSANAGIまわりは全部おまかせ
技術的なことはおまかせしたい。
初期費用無料。
ストレージはSSD標準搭載
ライトユーザー向けに『これはいいな』と思ったのでご紹介します。
サーバーについてくわしいことはよく分からない、けど使いたいときは、
がおすすめ。
KUSANAGI、WordPressのインストール作業はいりません。いきなりWordPressの管理画面のログイン画面からはじめられます。
『どうも最初のインストールやら設定が苦手で...』という方にピッタリです。
いまのところ、ここまでKUSANAGI・WordPressの初期設定を用意してくれるサービスはありません。
料金体系とサーバーのスペックです。
(初期費用はすべて無料)
グレード1 | グレード2 | グレード3 | グレード4 | グレード5 | グレード6 | グレード7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額料金 (税込) | 440円 | 990円 | 2,200円 | 4,400円 | 9,900円 | 30,800円 | 52,800円 |
CPU (仮想) | 1コア | 1.5コア | 2コア | 4コア | 8コア | 16コア | 32コア |
SSD容量 | 20GB | 40GB | 60GB | 100GB | 200GB | 300GB | 500GB |
保証メモリー | 1GB | 1GB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB |
最大メモリー | 2GB | 2GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB |
(2020年10月11日現在)
KUSANAGI推奨メモリはグレード4
サイトの規模に合わせてグレードの上げ下げができます。まずはグレード1からはじめて、
サイトの応答がおそい。
サイトのエラー表示が多い。
など起きたらグレードを上げていきましょう。
基本的な設定はサーバーの管理画面やWordPressの管理画面でできます。困ったときの電話・メールのサポートもあります。
グレード1~3まではKUSANAGIの推奨メモリに足りません。サイトを安定させるにはグレード4まで上げる必要があります。
グレード1~3は、『それなりに使えたらOK』『その時が来たら上げればいいや』ぐらいで大目に見ましょう。
KUSANAGIについておまかせしているので料金は高めです。
でも、同じくらいかそれ以上の料金で、KUSANAGIのインストール作業が必要なサービスもたくさんあります。
FTP接続はサポートしていますがSSH接続はできません。root権限もありません。
サーバー上の作業は、ファイルのアップロード・ダウンロードぐらいです。サーバーについては、かなりおまかせしているのでしょうがないですね?
すべてのサービスに言えますが、メモリ8G以上のKUSANAGIをほとんどの人は使いきれません。
月間PV30万以上とか化け物サイトくらいです。複数サイトの運営でも合計がそれくらいまで成長しないと使いきれません。
4Gもあれば十分です。
ぼくの運用実績では、2Gで月間7万PVくらいまではいけます。(参考値)
サーバーを自由に使えて格安
サーバーを自由に使いたい。
コストを安く抑えたい。
初期費用無料。最低利用期間なし。
ストレージはSSD標準搭載。
root権限あり。ssh接続可。
料金がお手ごろ。
root権限ありでサーバーを自由に使える。
初期設定がかんたんにできる。
この条件でいちばんのサービスが、
いま、KUSANAGIが使えるサービスでは一番のおすすめ。
料金体系とスペックです。
(すべて初期費用無料。最低利用期間なし。)
料金 | 880円/月 (1.5円/時) | 1,680円/月 (3.0円/時) | 3,280円/月 (6.0円/時) | 6,680円/月 (12.0円/時) | 13,000円/月 (22.0円/時) | 26,000円/時 (35.3円/時) | 49,000円/時 (88.0円/時) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メモリ | 1G | 2G | 4G | 8G | 16G | 32G | 64G |
SSD | 100G | 100G | 100G | 100G | 100G | 100G | 100G |
CPU | 2コア | 3コア | 4コア | 6コア | 8コア | 12コア | 24コア |
(2020年10月11日現在)
KUSANAGI推奨は月額3,280円
さらに、3ヶ月以上の長期利用であれば料金がさらに下がります。
メモリ4GBで月3,000円を切ってます。KUSANAGI搭載ではぶっちぎりの最安値。
(KUSANAGIじゃなくても使いたい。)
スペックも他社と比べて申し分ありません。サイトのスケールアップ・スケールダウンもできます。
Conoha VPSには最小メモリ(512M)もありますが、スケールアップ・ダウンは対象外です。
KUSANAGIを使うならメモリ1Gからのスタートです。
まずはメモリ1Gからはじめて、サイトに合わせてスケールを上下しましょう。
root権限があるので、Mackerelなどのシステム監視ソフトウェアをインストールすることも可能。
システム負荷をチェックしながらグレードの上げ下げができます。
ひとつ大きな特長を忘れてました。ConoHa VPSは、KUSANAGIの初期設定を画面操作だけでできます。
サーバー追加
↓
かんたんKUSANAGIを選ぶ
(テンプレート選択)
↓
KUSANAGI managerへアクセス
(サーバー管理画面から)
↓
メールアドレス・ドメインを入力してボタン押下。
↓
設定完了!
たったこれだけの操作でKUSANAGI・WordPressのサイトが立ち上がります。
このしくみは『日本初』で、まだほかに見当たりません。
ConoHa VPS公式サイト
KUSANAGIの初期設定は、サーバーにログインしてコマンド操作(CUI)で行ないます。
(CUIは、黒い画面でよく分からないアルファベットを入力する作業。)
エンジニアでない人にとっては意味不明、やりたくない作業でしょう。
KUSANAGIの初期設定からWordPressのインストールまで、画面操作でだれでもできるのは魅力的。
以前は、基本ストレージが50GBで少なかったのが弱点でした。が、今は100GBに増量しています。
(それでも料金はほぼ変わりない。むしろ長期割引で下がってる。)
Conoha VPS for KUSANAGIの一番分かりやすい公式ページを見つけました。そちらもどうぞ。
期待を込めてもうひとつ
KUSANAGIの初期設定が自分でできるなら良。
石狩リュージョンを使えばコストパフォーマンスは最強。
SSDの容量が多い。
ConoHa VPSと比べてそん色ないものに
があります。
料金体系とスペックです。
(初期費用無料)
料金 | 585円/月 | 800円/月 | 1,580円/月 | 3,200円/月 | 6,400円/月 | 12,000円/月 | 24,000円/月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
メモリ | 512 | 1G | 2G | 4G | 8G | 16G | 32G |
SSD/HDD ※1 | SSD 25G 50Gに変更可(※2) | SSD 50G 100Gに変更可(※2) | SSD 100G 200Gに変更可(※2) | SSD 200G 400Gに変更可(※2) | SSD 400G 800Gに変更可(※2) | SSD 800G 1,600Gに変更可(※2) | SSD 1,600G 3,200Gに変更可(※2) |
CPU (仮想) | 1コア | 2コア | 3コア | 4コア | 6コア | 8コア | 10コア |
※1 SSDとHDDがある場合はどちらかを選択
※2 ストレージ変更オプション
(2020年10月11日現在)
(価格は税抜)
(価格の一番安い石狩リージョン。リージョンはサーバのある場所。)
ConoHa VPSとくらべて若干料金が低く、なによりストレージの容量が多いです。さらにストレージ変更オプションがあり、1回の支払いで永続使用できます。
プラン (メモリ) | ストレージ 容量 (SSD) | 変更後の ストレージ 容量 (SSD) | オプション費用 (1回のみ) (税抜) |
---|---|---|---|
512M | 25GB | 50GB | 500円 |
1G | 50GB | 100GB | 1,000円 |
2G | 100GB | 200GB | 2,000円 |
4G | 200GB | 400GB | 4,000円 |
8G | 400GB | 800GB | 8,000円 |
16G | 800GB | 1600GB | 16,000円 |
32G | 1600GB | 3200GB | 32,000円 |
(対象リージョンは石狩・東京のみ)
スケールアップのとき追加オプションは引き継ぎません。
上げたスケールでまた1回の追加オプションが必要です。
(スケールアップでSSDの基本容量も増えるので、いらないことが多い。)
さくらVPSは、SSDの容量とコストパフォーマンスで勝負しています。画像や動画を大量にストックするようなサイトでは一番のおすすめ。
2週間のお試し期間があるのもいいです。ただ最大の欠点があって、
スケールアップはできるがスケールダウンができない。
そして、スケールアップにも条件があります。
このあたりを自由にもっと分かりやすくしてほしいです。
同じさくらインターネットが提供する
さくらのクラウド
というサービスもあります。
サーバー(CPU・メモリ)とストレージの料金が分かれていて選択肢が広く、いままで紹介したものよりも一番細かく選べます。
スケールアップ・ダウンもできるのでカスタマイズに優れています。
1コアCPU
メモリ4GB
SSD40GB
バックアップオプション付き
で5,000円弱くらい。結構いいです。
ただ、CPUのコア数を増やしたりストレージを100GBに増やすと、料金が数千円単位で一気にあがります。
基本料金も含め、そのあたりがもっと下がるといいんだけどな、という感じです。