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名字(みょうじ)は平安時代にはじまる
平安時代は藤原氏が天皇の親戚になって力をふるった時代で、藤原氏が日本各地の国の土地を荘園としてどんどん奪っていました。
荘園(しょうえん)
743年に私有地を持てる法律ができたことから始まる、上皇・貴族・寺社勢力・豪族の私有地のこと。
農園と言われるが鉄の生産など工業も行われた。
室町時代くらいから武士などの地方の有力者に奪われ失われていく。
豊臣秀吉の太閤検地などの土地制度改革で、私有地はいったん国に返すことになったので消滅する。
もともと名田(みょうでん)という土地の区画の単位があり、そこから取れるコメを税金として収めるのに使われていました。
(名田は律令制度で決められた。)
平安時代から荘園でも名田の単位を使うようになります。名田と税について専門的な知識をもった名田経営をする人もでてきました(名主)。
企業の顧問税理士みたいなもの。名主は力をもちはじめます。
このように、平安時代は律令制が崩壊して各地の名田に力をもちはじめた人が出てきます。その中に武士もいました。
律令(りつりょう)
律(りつ。刑法)と令(りょう。民法、行政法)からなる憲法みたいなもの。
7世紀の当時、世界の先進国の1つだった中国から伝わる。
日本は世界の先進国の仲間入りを目指して導入し始めていた。
律令で統治された国家を律令国家、その政治システムを律令制という。
そして、名田で力をもった人が、
オレはこの名田で力をもってるぞ!
とアピールするため、ニックネーム(字(あざな))をつけて名乗ります。
名田にちなんだ字 = 名字
の誕生です。
名字と武士の氏
この時代、武士が名田で力をもちはじめたので、武士の名前は名字に由来するといえます。
木曽義仲、足利尊氏、新田義貞などはその土地にちなんだ名字。
と思うかもしれません。
名字を名乗るということは、自分の力を誇示したいというメッセージがあります。もちろん、その力を自分の息子たちに引き継ぎたいという想いが出てきます。
この想いが募ると血族・同族を大事にするようになります。このようにして名字が氏に変化していきます。
出世したけれど、まともな姓がなければステータスのある姓をもらいます。
- P1 氏姓はどこからきた?
- P2 姓(せい、かばね)は天皇からもらうもの
- P3 先生の中国王朝は姓をもつことが大事
- P4 氏(し、うじ)は自分から名乗ることもできた
- P5 なんで頼朝は本名なのに、尊氏と家康は違うの?
- P6 将軍は源氏しかなれない
- P7 名字(みょうじ)は平安時代にはじまる
- P8 名字から氏へ、そして姓をもらうストーリー
- P9 苗字(みょうじ)は江戸時代にはじまる