今上(きんじょう)陛下って言葉はあまり聞いたことがありませんよね?
令和がはじまり、また天皇の継承問題が大きくなってきているのでこの言葉を聞く機会が増えると思います。
(というか、かなり使う人がいるのでスルーしなければ気になるはず。)
これを機に覚えておくのもよいのではないでしょうか?
譲位(じょうい)
天皇が生前に退位して次の天皇を即位させること。退位した天皇は上皇になる。
第35代 皇極天皇が乙巳の変(いっしのへん)の責任をとって行なったことから始まる。
はじめは天皇の目の前で暗殺事件がおきるというアクシデントだった。
大宝律令で制度化され天皇の終わり方の常識になる。最初に制度化された譲位をしたのは第41代 持統天皇。
持統天皇から今上天皇まで80代の天皇のうち60代は譲位。
(制度化されてから2/3が譲位)
なかには亡くなっているのをかくして、譲位をしてから崩御を公表する『譲位したことにする』天皇もいた。
それだけ譲位が天皇の終わり方の『あたりまえ』だった。
譲位の理由はいろいろ。
次世代が育つ。 |
そのときの権力者の都合。 自分の娘を皇太子に嫁がせているので早く天皇にしたいとか。 (権力闘争に利用される) |
病気。 |
仏教徒になりたい。 |
幕府に抗議するため。 |
天皇の意思。 |
理由なし。 あたりまえだと思っていた。 |
天皇陛下を『令和天○』と呼んではいけない
今上は『きんじょう』と読みます。在位中の天皇のことを
今上天皇
今上陛下(きんじょうへいか)
といいます。
今現在、お上にいらっしゃる
という意味です。
歴代天皇は諡
推古天皇、後醍醐天皇、孝明天皇、明治天皇、大正天皇、昭和天皇...
歴代の天皇をこう呼びます。しかし、これはただの名前ではなく諡(おくりな)。諡号(しごう)とも言います。
第44代 元正天皇のとき、過去の歴代天皇を整理してまとめて諡号をおくり、それからは天皇・上皇が亡くなったときにおくられるようになりました。
諡は戒名(かいみょう)と似ています。生前の功績をたたえられた目上の人につけられます。
まちがっても『令和天○』と呼んではいけません。今生きている陛下が亡くなっていることになっちゃうから。
天皇陛下・上皇陛下が亡くなられることを崩御(ほうぎょ)という。
『亡くなられる』も失礼だと言われるので使わないほうがいいかもしれない。
(正確かどうか分からない。そんなことを聞いたような記憶があるだけで。)
『今上天皇』と呼ぶのは失礼らしい
メディアでは『今上天皇』と呼んでいる人がいます。ぼくもそう呼ぶことがありますが、〇〇天皇という呼び方は失礼になるかもしれないそう。
歴史で語るときは登場人物は誰でも呼び捨てなので問題ありませんが、今いらっしゃる天皇に対しては、上から目線で呼び捨てることになってしまうそうです。
ニュースでも『天皇・皇后両陛下』と言いますよね?
いちばん良いのは”今上陛下”(きんじょうへいか)です。
2019年5月1日から平成の天皇陛下は上皇陛下になられた。
もちろん、上皇陛下のことを『平成天○』と言ってはいけない。
ぼくは令和になるまで『平成の天皇』と言っていました。
これだと平成の時代の天皇ってことになるので失礼にならないと思って。
正しいかどうかわかりません。令和になったので上皇陛下でいいんですけどね。