太上天皇(上皇)と太上法皇(法皇)の違いは?意味は?

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上皇とは、皇位を次に譲った天皇に与えられる尊号のことで、法皇とは上皇が出家したときの尊号です。

譲位という生前に皇位を譲ることがあったため、天皇に代わる尊称として生まれました。

上皇と言えば院政を思い浮かべますが、古代から現在まで制度として存在しています。

2019年5月1日には、今上天皇が上皇になられますので身近に感じられる存在になるでしょう。

「譲位」が現れたので太上天皇(上皇)が必要になった

譲位(じょうい)」とは、在位中の天皇が生前に皇位を次の天皇に譲ることをいいます。

皇位を譲った元・天皇は、天皇を次に譲っているので『天皇』を名乗ることができません。そこで出てきたのが「太上天皇(だじょうてんのう)」という尊号です。

太上(だじょう)」とは、「もっともすぐれた人、至上、最上」という意味があります。「スーパー」と同じような意味です。

一般的には略して「上皇(じょうこう)」と呼ばれます。

天皇は日本では最高位に位置する人です。それを経験して天皇を譲っているので、さらにその上を行く「スーパー天皇」= 「上皇」になるわけです。

これまでの上皇は、会社の社長より偉い『会長』のようなものでした。天皇よりも力があった人はたくさんいます。

しかし、これからの上皇は、会社の『顧問』のような形になると思われます。あくまで天皇が『最高位』という形です。

上皇は女帝(持統上皇)から始まる

『天皇』『上皇』という呼び方は、702年に制定された大宝律令によって制度化されました。

律令(りつりょう)

律(りつ。刑法)と令(りょう。民法、行政法)からなる憲法みたいなもの。

7世紀の当時、世界の先進国の1つだった中国から伝わる。

日本は世界の先進国の仲間入りを目指して導入し始めていた。

律令で統治された国家を律令国家、その政治システムを律令制という。

日本の歴史上最初の上皇は、女帝である第41代 持統天皇(じとう)です。

上皇と言えば院政を思い浮かべるので、歴代天皇で最初の上皇が女性というのは意外に思うかもしれません。しかし、そもそも譲位というものを最初に行ったのも女帝である第35代 皇極天皇(こうぎょく)です。

譲位の歴史は古い

皇極天皇が譲位を行なったきっかけは、「乙巳の変(いっしのへん)」です。

中大兄皇子は皇太子でもあったので、皇極天皇が騒乱の責任を取る形で天皇を退位しました。

乙巳の変(いっしのへん)

645年、第35代 皇極天皇(こうぎょく)の目の前で、息子で皇太子の中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)蘇我入鹿(そがの いるか)を殺害した事件。

これをきっかけに、天皇中心の国家建設を目指す政治運動が始まる(大化の改新(たいかのかいしん))。

この譲位は、決められた制度に従ったものではなく、想定していない突発的なアクシデントのようなものでした。

このような状態なので、譲位について制度が整備されていません。当然、太上天皇という制度もありません。「皇祖母尊(すめみおやのみこと)」という尊号を使っていました。『偉大な天皇の母』といったところでしょう。

歴代天皇で最初の上皇は持統天皇ですが、事実上の最初の上皇は皇極天皇と言ってもよいでしょう。ただし、アクシデントですが。

持統天皇は2番目に譲位を行った天皇です。持統天皇は皇極天皇の孫で中大兄皇子の娘です。

持統天皇の時代は、飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)という法体系が整備されていて、それを発展させた大宝律令(たいほうりつりょう)が完成間近でした。この大宝律令で『皇祖母尊』を『太上天皇』として制度化することになります。

このようにして最初の上皇は持統上皇になります。

太上法皇(法皇)とは何か?

太上法皇」とは出家した上皇の尊称のことを言います。一般的には略して「法皇(ほうおう)」と言います。

天皇は日本古来の神道の祭祀を司る祭祀王で、神道の代表者です。出家すると仏教に帰依することになるので、天皇の在位中に出家することはできなかったのでしょう。

しかし上皇は出家するようになって法皇になる人が出てきます。上皇という立場は天皇よりは自由に行動できたと言えます。

最初の法皇は平安時代の宇多天皇

歴代天皇で最初に法皇になったのは、平安時代の第59代 宇多天皇(うだ)です。

宇多天皇は民間人を経験した珍しい天皇です。こういう人だったからこそ新しいことができたのでしょう。

今のところ、江戸時代の第112代 霊元天皇(れいげん)が出家して最後の法皇となっています。

2019年5月1日に今上天皇は上皇になられます。もし上皇が出家したら、約280年ぶりに法皇が誕生するかもしれません。

〇〇院と呼ぶのはなぜか?

上皇や法皇の住まい(御所)のことを『院(いん)』と言います。

そこから上皇のことを〇〇院と呼ぶようになります。〇〇は天皇・上皇の諡(おくりな)だったりあ、住まいの地域名だったりします。

後鳥羽院(ごとば)は諡で、讃岐院(さぬき)は崇徳院の別称です。島流しされた場所が讃岐だったのでそう呼ばれます。

皇族の名前を呼ぶときは、名前ではなく住んでる場所を使うことがあります。例えば、皇太子のことを『東宮(とうぐう)』と呼ぶこともあります。

東宮は皇太子の住まいのことです。

 

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