第26代 継体天皇。歴代の中で一番血統の遠い天皇。福井在住のお爺ちゃんが即位する。
継体天皇(けいたい)は、歴代天皇の中で一番血統が遠いところから即位した天皇です。即位したときは都にすら住んでいませんでした。
本人も福井にいたかったらしく、一度は断りしぶしぶ即位します。
継体天皇の系統がいまの今上天皇まで続いていますが、あまりに遠くから来たので王朝交替説もあります。
続きを読む第21代 雄略天皇。皇位継承者をみな殺し。残虐極まりない大悪人か? 徳のある天皇か?
雄略天皇(ゆうりゃく)は、兄弟・いとこなど、天皇になれるような皇子たちを次々に殺していきます。
(分かっているだけで4人。)
ほかにも、ろくに調べずに怒りにまかせて殺しているので、『大悪天皇』と呼ばれました。
逆に『有徳天皇』ともいわれたクセのある人です。
続きを読む第66代 一条天皇。宮廷文化の最高潮で豊富な人材が揃う。いよいよ藤原道長の登場。
第66代 一条天皇(いちじょう)はほぼ無名ですが、その時代は平安のイメージが凝縮されています。
藤原道長の栄華、清少納言、紫式部、和泉式部の活躍、安倍晴明の活躍などなど。
登場人物のキャラが強すぎて一条天皇の存在感が薄いですが、平和で『これぞ平安』という時代でした。
続きを読む武士はどこから来たのか? なぜ生まれたのか? 日本は軍事が嫌いだから生まれたかも。
武士が生まれたのには、長い歴史の中でポイントになる部分がいくつもあります。
たんに豪族から武士になっただけでは片付けられません。天皇の政策だって影響しています。
『武士が生まれた理由はこれだ!』と決められず、合わせ技一本のようにポイントの積み重ねで生まれました。
続きを読む第76代 近衛天皇。藤原氏の権力闘争に巻き込まれる。左大臣に呪い殺された?
政治の実権は父の鳥羽上皇にあったため、近衛天皇(このえ)はほぼ表舞台に出ませんでした。政治の中心は藤原氏の内紛がメインになっていきます。
近衛天皇は自分の妻でさえ内紛のネタにされました。
この時代の天皇は存在感のある人が多いのに、15年も在位期間のある近衛天皇はほとんど見えません。
続きを読む第37代 斉明天皇。史上初の天皇返り咲き。今度は剛腕をブンブンふりまわす?
斉明天皇(さいめい)は、一度退位してからまた天皇に即位する重祚(ちょうそ)を初めてした人です。
前は災難つづきで何もできず4年で終わってしまいましたが、今度は持ち前? の剛腕をふるい勇ましい天皇として帰ってきました。
歴代で最後の戦地に向かった軍の総司令官の天皇です。
続きを読む第45代 聖武天皇。病弱な仏教マニア。政治はデキる人におまかせ。
第45代 聖武天皇(しょうむ)は、東大寺の大仏などを建立した有名な天皇ですが、病弱で天皇の仕事は先代の元正上皇に丸投げでした。
仏教オタクといってもいいです。そのオタクぶりが、いまの日本の大切な遺産になっています。『オタクが世界を変える』の典型の人。
続きを読む君臣の別(くんしんのべつ)の意味は? 差別の元凶と平等思想に見える不思議な言葉。
日本では、君主と民の関係は昔から独特でした。欧米のように契約関係もなく、絶対的な主従関係もありません。
それなのに、天皇と民の間には暗黙の信頼関係があります。
普通は結びつかないのに結ばれているところに『君臣の別』という考えがあります。皇位継承問題でも必要な考え方です。
続きを読む国司ってだれが偉いの?昔は地域格差を法で決め1000年以上使われた。
越前守、伊勢守、上野介...。戦国大名や江戸時代の武士たちが名乗ったこの名前は、本当は名前ではなく役職です。地方統治の長官・次官の名前。だからそれぞれの国名が入ります。
そして同じ長官でも、国によって朝廷の位階(等級)に差がありました。越前守と駿河守では越前のほうがワンランク上というように。
続きを読む初代 神武天皇。東征神話でヘタレを露呈する。大惨敗の上に兄が戦死。
初代 神武天皇(じんむ)は天下統一のため日向(ひゅうが。宮崎)を出発しヤマト(奈良)へ向かいます。道中、英雄らしからぬヘタレを露呈し、大阪では豪族と戦争してコテンパンにやられました。
神武の東征は英雄の遠征記録ではありません。人間味のある成長物語です。
続きを読む第13代 成務天皇。地方の統治機構を作ってヤマト王権のレベルを上げる
成務天皇(せいむ)はヤマトタケルの弟で、タケルが行なったヤマト王権の武力討伐のあとを引きつぎました。織田信長を引き継いだ豊臣秀吉に似ている。
そこからさらに、都道府県・市区町村みたいな地方の統治機構を作って国のかたちをワンランク上げます。
(国造・県主(くにのみやつこ・あがたぬし)の登場。)
続きを読む第55代 文徳天皇。皇子の大量リストラと藤原一強確定。暗殺された?
第55代 文徳天皇(もんとく)は、母の実家も嫁の実家も藤原氏です。
この外戚の力で藤原氏は復活しました。復活どころか1000年以上、親戚であり仕事のパートナーであり続けます。
藤原氏に対抗しそうな勢力の大量リストラもありました。文徳天皇の意思なのかは不明。
続きを読む摂政と関白はどっちが偉いのか? 何が違うのか? なんで似たものが2つもあったのか?
摂政と関白は摂関政治で一緒にされます。それによって、意味、ちがい、上下関係など、ワケが分からなくなっています。
じっさいは摂政と関白が同時に存在することはありえないんですが、よけいに分からなくなるのかな?
あらためて摂政、関白のちがいを考えます。
続きを読む左弁・右弁・少納言(三局), 太政官の実働部隊の最強トリオ。
太政官は律令制度の官僚組織の中心で、今でいう内閣府なんですが、その中にさらに中枢の中枢がありました。
左弁官・右弁官・少納言。それらには『局』が付けられ部局として存在していたので三局(さんきょく)といいます。
サッカーの4・3・3システムのMFだと思えばいい。サッカーに興味ない人にはチンプンカンプンですが。
続きを読む第27代 安閑天皇。2代目マスオさんの奮闘記。ヤマト王権の直轄領を地方に作る。
福井の40すぎのオッサンが、父が天皇になったのにつられて皇太子になり、天皇にまでなったシンデレラ?ストーリー… その主人公が安閑天皇(あんかん)です。
安閑天皇はヤマト王権の直轄領を地方にはじめて作りました。歴史の教科書にも出てくる屯倉(みやけ)です。
続きを読む第22代 清寧天皇。ほんとうにいたのか?白髪の天皇。名門・吉備氏が没落する。
清寧天皇(せいねい)は生まれつき白髪で、妻をひとりも持たず子どももいませんでした。
ビジュアル的には一番カッコいい天皇に思えますが、個人的には実在があやしいと思っています。
古代の名門・吉備氏は清寧天皇の即位に不満をもった皇子に呼応して没落しました。
続きを読む第67代 三条天皇。藤原道長のイジメに心折れて退位。約束もかんたんに破られる。
第67代 三条天皇(さんじょう)は、最大の実力者・藤原道長にイジメたおされて、心がポッキリ折れて退位します。
というか道長は中学生のいじめっ子みたいで幼稚すぎる。
そんな道長が三条天皇が退位の条件につけた取引を守るわけがありません。守るつもりがなかったのですぐに破りました。
続きを読む武家政権は平氏と源氏が交互になっていたって本当?(源平交代論)
『武家政権は平氏と源氏が交代で担当していた』という話を聞いたことがあるでしょうか?
源平交代論(げんぺいこうたいろん)と言います。
歴史好きには『たしかにそうかも?』と思う話で『そんなバカな!』という話です。
キッチリしたい性分としては、はっきりさせたいと思います。
続きを読む第77代 後白河天皇。『能もなく芸もなし』から大変身! 武士と闘争した最初の天皇。
後白河天皇(ごしらかわ)は、朝廷内での評価が最低でした。しかし、本人はどこ吹く風でどんどん大政治家へと成長します。
平清盛、源頼朝とわたり合い、武家を利用しながら、されながら、30年以上トップでありつづけました。
皇族同士、武士との権力闘争を生き抜き、歴代天皇の中でも激動の政治の中心にいた人です。
続きを読む第38代 天智天皇。なかなか天皇にならない中大兄皇子。慎重な名君か?ただのダダっ子か?
天智天皇は(てんじ)は、あの中大兄皇子(なか の おおえ の みこ)です。
4代の天皇の皇太子なのに即位せず、先代の斉明天皇が亡くなったのに7年間も即位しませんでした。
中大兄は『天皇になりたくなったのでは?』とも言われ、超絶慎重な性格だったとも言われる。
続きを読む第45代 聖武天皇。コロコロ変わる政権交代。長屋王~藤原四子~橘諸兄。
第45代 聖武天皇(しょうむ)は、仏教を愛し天平文化をつくった人ですが、政治には興味がありませんでした。
ちょうどこのころ、皇族の政治から藤原氏の政治への転換点で、あっち行ったりこっち行ったり、落ち着きません。
政権幹部が疫病でバタバタ死んで二人しか残らない事態も起きます。
続きを読む保元の乱。上皇 vs 天皇から始まる天下分け目の大戦争。武士が政治の世界に進出する。
保元の乱(ほうげんのらん)は、鳥羽上皇と崇徳上皇の親子ゲンカからはじまり、それが後白河天皇 vs 崇徳上皇の兄弟ゲンカになって大爆発します。
この戦は、皇族・貴族・武士、政治にかかわるすべての勢力が参加しました。ここまで日本を二分した例はほかにありません。
続きを読む越前守、上野介、匠頭は名前じゃない。部長、社長と言ってるのと同じ。
戦国武将や江戸時代の武士には、守(かみ)、介(すけ)、頭(かみ)、助(すけ)が名前についた人がいます。
小栗上野介や吉良上野介が有名ですが、この2人は名前がたまたま同じだったんじゃなく、あまり知られていない本名が別にあります。
そもそも上野介は名前じゃなく役職。『じゃあその役職ってなんなんだ?』というところを見ていきます。
続きを読む歴代天皇一覧 - 全員に触れようと始めたがいつ終わるんだこれ?
日本の歴代天皇は、初代から数えて126代存在してきました。暗殺された人、女性天皇、2回天皇になる人、この人は大丈夫か?という人、いろいろな個性をもった天皇がいました。
個人的には花山天皇が好きなんですが、この人はヤバい。TVや教科書で絶対に紹介できない。そういうぶっ飛びすぎて面白い天皇もいます。
続きを読む第14代 仲哀天皇。カミのお告げを無視したから殺された? それとも九州で戦死?
仲哀天皇(ちゅうあい)は早く亡くなったため、当時としては短い在位です。九州討伐に遠征に行くほどのアグレッシブな人でした。
嫁は、かつて歴代天皇に数えられた、女性皇族最強の女傑です。
続きを読む第56代 清和天皇。初めての幼帝。人臣摂政が初登場。武士の源氏のご先祖様。
第56代 清和天皇(せいわ)は、初めて幼い子どもが即位した天皇です。そしてここで、初めて皇族以外の人臣が摂政になりました。藤原良房(ふじわら よしふさ)です。
清和天皇は最初の摂関政治の天皇で、鎌倉・室町・江戸幕府を開く源氏のご先祖様です。(清和源氏)
続きを読む穢れ(けがれ)・禊(みそぎ)の意味は?- 日本人の道徳・宗教
穢れは『けがれ』、禊は『みそぎ』と読みます。
日本にはキリスト教やイスラム教のような絶対的な神はいません。日本人の宗教観・道徳観には判断基準を教えてくれる神はいません。
日本人の価値基準には穢れと禊が根っこにあります。穢れと禊とはなんでしょうか?
続きを読む蔵人所(くろうどどころ), 天皇直属の情報秘匿機関。太政官の一角を崩すまでの存在になる。
蔵人所は江戸時代以前の朝廷の役職でかなり重要なものだったんですが、設置されたのは平安時代に入ってからです。
しかも、緊急事態で。
天皇と上皇が大戦寸前まで行き、天皇が上皇に情報が漏れるのを阻止するために作りました。
緊急に作ったんですがそのまま常設になり強力な組織に変わります。
続きを読む第28代 宣化天皇。3代目マスオさんの奮闘記。蘇我氏の登場。
福井のアラフォー・オッサンが、まわりの流れに乗っかってたら天皇になる。宣化天皇(せんか)はそんな人です。
天皇になるはずないところから父が天皇なり、同じく兄が天皇になり、どう考えてもありえないところで即位しました。ウソみたいなシンデレラストーリー。
続きを読む飯豊女王は女帝だったのか? 認められないのは出自がはっきりしないから?
飯豊女王(いいどよ の ひめみこ)は、第22代 清寧天皇のあと政務を引きついだ女性皇族です。
古事記では天皇のひとりとして見られ、日本書紀はそれを否定していません。しかし、歴代天皇に入っていないナゾの女性です。
理由は古事記と日本書紀で親がちがうから?
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